急性期病院で入院中
首が後屈しいつも口が開いている。
体重が減り、もう危ないのではと。
口から、水、ゼリーを入れられ、むせたので口から食べられないと告げられた。
この完全側臥位は、誤嚥しにくい安全な姿勢で口から食べることと、唾液誤嚥の予防ができます。
福村直毅医師は、2007年に鶴岡協立リハビリテーション病院在職中に完全側臥位法を発見し、治療に導入し鶴岡市では肺炎死亡率が低下しました。2015年に健和会病院に移り、長野県飯田地区を中心に最新の嚥下治療が全国に広がっています。
● 完全側臥位と喉のようす
声門の先に気管があり、飲食物が気管に入ることを誤嚥といい、誤嚥性肺炎になる恐れがあります。
完全側臥位になると気管より低いところに沢山ためられ、嚥下反射が起こるまで重力によって気管に入ることはない。
後頭部から頬にかけて三角形と長方形のビーズ枕が支えます。
三角形と長方形枕の下にタオルを巻き込む。タオルに頭の重みがかかることで2つの枕を引き寄せ、頭部が固定します。
平成30年7月15日
「かぼちゃをペーストにしたものを父に食べてもらえました♪
福村先生から少量でカロリーを取る工夫として、オイルでカロリーアップしたら良いと教えていただいたのでココナッツオイルを加えました。
父の好きなハチミツも加えました。
とろみ剤を加えて父にとってちょうどいいとろみ加減にしました。
大きな口を開けて「おいしい、おいしい」と言って食べてくれました。
こんなふうにまた、自分の手で一から作ったものを食べてもらえる日がくるなんて…本当にうれしくて感激です☆
父が病気になってからは特に、食事を大切に考えて、母と私で手作りで作ったものを父に食べてもらっていました。
愛情込めて作ったものは心身を満たし元気にしてくれるからです。
父は食欲も旺盛で私達が作る食事をいつもおいしいと食べてくれました。
ですが、入院したその日から絶飲食となり、食べたいのに食べられない月日…どんなにか辛かったことかと思います。
253日ぶりのかぼちゃの味を父はかみしめるように味わいました。
入院前の食事と同じようなものを食べることができるようになったことに喜びもひとしおです。
まだそんなにたくさんお口から食べられないので経鼻経管栄養との併用ですが、お口から食べることできっと力がついてくると信じて、今は少しでも食べられたら共に喜んでいます。
ふたこぶラックンとピタットくん90ワイドを使って完全側臥位にして食べています。
父は首の反り返りが強いのですが、ふたこぶラックンはちゃんと支えてくれるのでとても楽そうですし、ピタットくん90も完全側臥位を保つのにとても役に立ちます。
病院ではあんなにも食べるのはリスクがあるから無理と言われ続けてきましたが、むせることなく上手にゴックンして食べることができます。
この長く苦しい道のりを思うと、がんばってきた父の努力が報われて本当に良かったと胸に喜びが溢れてきます。
父が決して特別なのではなく、完全側臥位にすることで口から食べられる喜びを取り戻せる方がたくさんいらっしゃるんじゃないかと父を見ていて思います。
食べたいのに食べられないという苦しみの中にいらっしゃる方が、たとえ一口でも口にすることができた時に、その一口がどれほど大きな喜びとなってその方の命を潤してくれることでしょう。
そして私たちにも、それはそれは大きな喜びをもたらしてくれます。
お口から食べる喜びをみんなで分かち合えるそんな世界となりますように☆」
● 完全側臥位とふたこぶラックンの調整方法
1.完全側臥位の姿勢調整方法 完全側臥位支援クッション(ピタットくん90)の調整
3分36秒
2.頸部回旋の調整方法 ふたこぶラックンの調整方法
2分45秒
頸部回旋で飲み込める症状
自分で食べられる方も頭が安定して食べやすくなります。
● ふたこぶラックンの取扱について
■サイズ:
縦36cm〜50cm
(コブの間のサイズはバンドで調整できます。)
幅20cm
高さ(小さいコブ)9cm(高いコブ)20cm
■材質:
枕側地 ポリエステル100%
中材 ポリエチレン
タオル ポリエステル85%、ナイロン15%
■洗濯方法:
枕本体は洗濯可能、次亜塩素酸消毒可能。
枕は、洗濯ネットに入れて洗濯してください。
乾燥は、日陰干しにして下さい。
【タオル】
・ネットを使用し、40℃の水で弱水流にて洗濯してください。
・漂白剤は使用できません。
・日陰干しで乾かしてください。アイロン掛けはできません。
■使用上の注意:
・火気に近づけないでください。
・長時間汗や水にぬれたり、浸けたままにしますと他のものに色移りすることがありますのでご注意ください。
・洗濯の際、色落ちすることがありますので他のものとのお洗濯はお避けください。
・本来の用途以外には使用しないでください。
※本姿勢の効果は、嚥下造影検査下で医師が判定することが望ましいです。
また、上記の姿勢を調整しても、必ずしも誤嚥しないわけではございません。
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