口から食べられないと言われた方の6〜7割の人が食べられている姿勢をご存知ですか?

体幹は、唾液誤嚥予防の回復体位と同じで頭の位置を変えるだけの姿勢になります。
嚥下反射が起こるまで誤嚥しにくい位置に溜めておくことができる理にかなった姿勢です。ただ、今までの背中を倒す仰臥位やあごを引く頸部前屈姿勢などと違うことで違和感を示す医療従事者が多いのも事実です。

・医療分野では、すぐに導入するには難しいことが多々あります。これから医療分野で普及していくと予測されます。

・介護分野では、診断できないことからできる方は限られてくると思います。しかし、低栄養や誤嚥性肺炎の予防として使ってほしい場面が多々あります。
人体構造を理解すれば、多くの方が目の前の利用者やご家族にできる姿勢です。食事中にむせが多い方や誤嚥性肺炎を経験された方、風邪やインフルエンザにかかっているときや体調を崩した時などの栄養摂取や水分補給に有効です。在宅療養されている方や施設、訪問をされている方には強い味方になる方法です。

※側臥位が取れない方や食道が開かない方や声門が閉じない方や嚥下反射が生じない方は、完全側臥位でも食べられないです。

ちょっと理屈っぽくなりますが、読んで欲しいです。内視鏡動画も用意しています。

【座位や背中を倒す仰臥位で口から食べることを禁止する主な3つの理由】

1、飲み込むのに時間がかかる(嚥下反射惹起遅延(えんげはんしゃじゃっきちえん))

飲み込もうと思っても反射が起こらないと飲み込むことができません。この間に唾液もでます。唾液が気管の周りに溜まり喉頭侵入するとむせが起こり誤嚥を防ぎます。もし、むせが起こらなけば。。。。

 

2、喉に違和感がある(食物残留)

喉の筋肉が弱くなったり、痩せてくると筋肉や脂肪がなくなり喉の空間が広がります。そのため、喉から食道に送る力が足らず喉に食べ物が残ります。喉にたまったものは、重力によって下に流れ落ち気管の入り口周辺に溜まります。

 

3、気管に入れない堤防機能の低下

気管の手前に喉頭(こうとう)という器官があります。喉頭蓋(こうとうがい)、披裂(ひれつ)、披裂喉頭蓋襞(ひれつこうとうがいひだ)、咽頭喉頭蓋襞(いんとうこうとうがいひだ)などは、飲食物・唾液などを喉頭に入れないよう堤防の役目をする。この機能が弱まると誤嚥しやすくなります。

13で見られる症状には、

・水分でむせる。

・ガラガラ声がする

 

などがあり、嚥下検査によって口から食べることを禁止されることが多いです。

 

 

【安全な肺と食道の位置関係をご存じですか?】

仰臥位では、一口スプーンの3㏄が溜まるところは気管の入り口近いことが分かる
仰臥位では、一口スプーンの3㏄が溜まるところは気管の入り口近いことが分かる

仰臥位は、肺より背中側に食道がある位置関係から利用されています。

肺につながる気管の入り口周辺のイラストと内視鏡画像です(写真1)

食道は普段封筒の口のようにピッタリくっついているので、画像に写らないです。

嚥下反射が起こるまで、食道に物は入りません。

閉じている食道の入り口の上に安全に溜まる空間があります。

気管の入り口を閉じる声門と安全に溜まる空間が近いのが分かると思います。

 

安全に溜まる空間が3㏄ほどと少ないために、食事介助では3㏄の一口スプーンで食べさせる理由になります。

完全側臥位では、気管の入り口より遠いところに15~20㏄溜まる
完全側臥位では、気管の入り口より遠いところに15~20㏄溜まる

完全側臥位になると写真2のように安全に溜まる空間が広くできる。

 

重力は喉の側面に働くので、溜まっている飲食物は気管の入り口から肺に入れない状態です。

喉の構造から比較すると完全側臥位の方が仰臥位より安全なのが分かる
喉の構造から比較すると完全側臥位の方が仰臥位より安全なのが分かる

透明咽頭モデル「トラピス」で仰臥位と完全側臥位を比べると写真3になります。

【安全に口から食べられる姿勢は真横に寝ること】

最新の嚥下治療「完全側臥位法」では、口から食べることを禁止された方でも67割の方が食べられています。

地球上では、3つの普遍的事実があります。その事実を利用したのが完全側臥位法です。

1、重力

2、食道は普段閉じている

3、喉には誤嚥できない空間がある

3分でわかる完全側臥位法

【完全側臥位(90度側臥位)にこだわる理由】

体幹が45度傾くと安全に溜まる量が少なくり誤嚥のリスクが高くなる
体幹が45度傾くと安全に溜まる量が少なくり誤嚥のリスクが高くなる

気管の入り口は肩に近いところにあり肩が倒れると気管の入り口が低くなり、安全に溜まる空間が少なくなって気管に入りやすくなります。写真4は背中に45度傾いたときの喉頭のイメージです。安全に溜まる量が少なくなっています。

 

安全な完全側臥位(90度側臥位写真2)にこだわります。

ピタットくん90ワイドが背中に倒れこむの
ピタットくん90ワイドが背中に倒れこむの

背中に倒れにくく、しっかりサポートするのが完全側臥位支援クッション(ピタットくん90ワイド)です。

・シート部分を体の下に敷くことでずれにくくなっています。

・クッション内部にクッションを入れており背中が倒れにくくしています。

【最強の摂食姿勢~完全側臥位頸部回旋~】

写真5のように顔を上に向ける(頸部回旋する)と梨状窩の先の食道入口部が広がり食べ物が入りやすくなります。

つまり、誤嚥しない状態で食物を溜めておき食道に入りやすい準備をして嚥下反射を待っています。これが、完全側臥位頸部回旋姿勢(写真6)です。

完全側臥位頸部回旋の利点

・口腔の送り込み障害に対して、傾斜をつけることにより喉に入りやすい。

・食道の入り口を広げて飲食物を入りやすくする

・溜まる空間が広がる

・喉の側面を飲食物が流れやすくなる

・食事介助がしやすくなる

 

食事の最後に溜まった食材を水やとろみ水に置き換えるフィニッシュ嚥下をしてください。そして、2030分同じ姿勢で過ごしてください。

【完全側臥位での内視鏡動画を見てください。】

真っ白になる瞬間が飲み込んだ時です。

嚥下反射後に残った物は奥の気管に行かないです。

・嚥下反射が遅い

・残留がある

・喉頭侵入している

座位や仰臥位では、食べることを禁止されたと思います。

 

でも完全側臥位では誤嚥せずに、嚥下反射を待つことができます。


 

※側臥位が取れない方や食道が開かない方や声門が閉じない方や嚥下反射が生じない方は、完全側臥位でも食べられないです。

 

【病院で診察してもらってから、完全側臥位で食べることをお勧めします。】

しかしながら、完全側臥位で診察できる医師が少ないため実施している病院が少ないのが現状です。

 

 

 

【横になって食べられる可能性があるのでしょうか?】

嚥下検査ができない。VE検査はない場合どうしたらいいのか。

今食べている姿勢で、よくむせたり、食事中や食後ガラガラ声がした場合、横になってむせが治ったり、ガラガラ声がしなくなったりした場合は、水又はとろみ水を飲んでみてください。むせずに飲み込めたら、ヨーグルトを飲んでみてください。

 

口から食べることを禁止された方の67割の方が食べられています。おそらく、その67割に該当される可能性が高いです。

 

 

病院・施設・自宅でやってみよう

やってみよう【完全側臥位法の導入に役立つ支援DVD】

収録内容 52分16秒

1.3分でわかる完全側臥位法 3m43s

2.完全側臥位法とは 10m41s

3.完全側臥位姿勢調整 (ピタットくん90ワイド) 3m35s

4.完全側臥位食事介助 3m5

5.完全側臥位自力摂取 2m54s

6.完全側臥位頚部回旋(ふたこぶラックン)2m45s

7.前傾座位姿勢調整(ラーメンをすする姿勢)5m9s

8.回復体位調整(唾液誤嚥予防姿勢)3m3s

9.唾液誤嚥について 34s

10.唾液の色について 2m12s

11.座位での誤嚥の仕組み 1分02秒

12.背中にもたれかかったときの誤嚥の仕組み 1分39秒 

13.仰臥位30度での誤嚥の仕組み 1分39秒

14.完全側臥位での誤嚥の仕組み 1分44秒

15.ふたこぶラックンの使い方 3m50s

16.ピタットくん90ワイドの使い方 1m26s

17.回復体位クッションの使い方 3m15s

ダウンロード
完全側臥位法の導入に役立つ支援DVD
完全側臥位法の導入に役立つ支援DVD.pdf
PDFファイル 188.2 KB


完全側臥位法の導入に役立つ支援DVDの4つの利用場面

1.勉強会で利用

1.3分でわかる完全側臥位法 3m43s

2.完全側臥位法とは 10m41s

 

煩わしい資料作成の必要はありません。健和会病院 栗澤祥平言語聴覚士に作成していただきました。完全側臥位法の概要を3分で、医療従事者向けに10分でまとめていただきました。

1.3分でわかる完全側臥位法 3m43s



2.誤嚥リスクを透明モデルで理解

11.座位での誤嚥の仕組み 1分02秒

12.背中にもたれかかったときの誤嚥の仕組み 1分39秒 

13.仰臥位30度での誤嚥の仕組み 1分39秒

14.完全側臥位での誤嚥の仕組み 1分44秒

 

外から見えないのどの中を液体はどこに溜まり、どこを流れるかで誤嚥リスクがわかります。健和会病院 福村直毅医師が透明咽頭モデルで解説。

完全側臥位での誤嚥の仕組み 1分44秒


3.姿勢調整・食事介助の練習

3.完全側臥位姿勢調整 (ピタットくん90ワイド) 3m35s

4.完全側臥位食事介助 3m5

5.完全側臥位自力摂取 2m54s

6.完全側臥位頚部回旋(ふたこぶラックン)2m45s

7.前傾座位姿勢調整(ラーメンをすする姿勢)5m9s

 

力任せにしない方法で姿勢を調整すれば介助する側もされる側も安心。健和会病院 福村弘子摂食嚥下認定看護師が説明。

完全側臥位頚部回旋(ふたこぶラックン)2m45s


4.回復体位で誤嚥性肺炎を予防

8.回復体位調整(唾液誤嚥予防姿勢)3m3s

9.唾液誤嚥について 34s

10.唾液の色について 2m12s

誤嚥性肺炎の大半が唾液によると言われています。唾液誤嚥予防の回復体位について、健和会病院 福村弘子摂食嚥下認定看護師が説明。

完全側臥位頚部回旋(ふたこぶラックン)2m45s



誤嚥性肺炎で入院させないために、自宅で施設でできる唾液誤嚥予防をお伝えします

ご家族・介護職対象のセミナーです。

医療用語がわからない、医療知識・技術もない。でも、画像と動画を見れば何が安全で何が危険か分かります。

  • 誤嚥性肺炎で病院に入院しない
  • 不要な吸引を減らす

ためのセミナーです。

毎月2回 14:00~15:30 1時間ほど行っています。

毎週水曜日または金曜日の20:00から1時間ほど行っています。


看護師ができる吸引とご家族や介護職ができる吸引の場所が違います。

唾液で苦しんでいるご家族に一生懸命吸引しても、実は誤嚥性肺炎を促進しているかもしれません。

そんな内容の動画です。


完全側臥位法サポート商品のカタログダウンロード

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完全側臥位法の導入に役立つ支援DVD
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ふたこぶラックン
ふたこぶラックン.pdf
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ピタットくん90ワイド
ワイドカタログ.pdf
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回復体位クッション
20190312 回復体位クッション.pdf
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