体幹は、唾液誤嚥予防の回復体位と同じで頭の位置を変えるだけの姿勢になります。
嚥下反射が起こるまで誤嚥しにくい位置に溜めておくことができる理にかなった姿勢です。ただ、今までの背中を倒す仰臥位やあごを引く頸部前屈姿勢などと違うことで違和感を示す医療従事者が多いのも事実です。
・医療分野では、すぐに導入するには難しいことが多々あります。これから医療分野で普及していくと予測されます。
・介護分野では、診断できないことからできる方は限られてくると思います。しかし、低栄養や誤嚥性肺炎の予防として使ってほしい場面が多々あります。
人体構造を理解すれば、多くの方が目の前の利用者やご家族にできる姿勢です。食事中にむせが多い方や誤嚥性肺炎を経験された方、風邪やインフルエンザにかかっているときや体調を崩した時などの栄養摂取や水分補給に有効です。在宅療養されている方や施設、訪問をされている方には強い味方になる方法です。
※側臥位が取れない方や食道が開かない方や声門が閉じない方や嚥下反射が生じない方は、完全側臥位でも食べられないです。
ちょっと理屈っぽくなりますが、読んで欲しいです。内視鏡動画も用意しています。
1、飲み込むのに時間がかかる(嚥下反射惹起遅延(えんげはんしゃじゃっきちえん))
飲み込もうと思っても反射が起こらないと飲み込むことができません。この間に唾液もでます。唾液が気管の周りに溜まり喉頭侵入するとむせが起こり誤嚥を防ぎます。もし、むせが起こらなけば。。。。
2、喉に違和感がある(食物残留)
喉の筋肉が弱くなったり、痩せてくると筋肉や脂肪がなくなり喉の空間が広がります。そのため、喉から食道に送る力が足らず喉に食べ物が残ります。喉にたまったものは、重力によって下に流れ落ち気管の入り口周辺に溜まります。
3、気管に入れない堤防機能の低下
気管の手前に喉頭(こうとう)という器官があります。喉頭蓋(こうとうがい)、披裂(ひれつ)、披裂喉頭蓋襞(ひれつこうとうがいひだ)、咽頭喉頭蓋襞(いんとうこうとうがいひだ)などは、飲食物・唾液などを喉頭に入れないよう堤防の役目をする。この機能が弱まると誤嚥しやすくなります。
1〜3で見られる症状には、
・水分でむせる。
・ガラガラ声がする
などがあり、嚥下検査によって口から食べることを禁止されることが多いです。
仰臥位は、肺より背中側に食道がある位置関係から利用されています。
肺につながる気管の入り口周辺のイラストと内視鏡画像です(写真1)。
食道は普段封筒の口のようにピッタリくっついているので、画像に写らないです。
嚥下反射が起こるまで、食道に物は入りません。
閉じている食道の入り口の上に安全に溜まる空間があります。
気管の入り口を閉じる声門と安全に溜まる空間が近いのが分かると思います。
安全に溜まる空間が3㏄ほどと少ないために、食事介助では3㏄の一口スプーンで食べさせる理由になります。
完全側臥位になると写真2のように安全に溜まる空間が広くできる。
重力は喉の側面に働くので、溜まっている飲食物は気管の入り口から肺に入れない状態です。
透明咽頭モデル「トラピス」で仰臥位と完全側臥位を比べると写真3になります。
最新の嚥下治療「完全側臥位法」では、口から食べることを禁止された方でも6〜7割の方が食べられています。
地球上では、3つの普遍的事実があります。その事実を利用したのが完全側臥位法です。
1、重力
2、食道は普段閉じている
3、喉には誤嚥できない空間がある
気管の入り口は肩に近いところにあり肩が倒れると気管の入り口が低くなり、安全に溜まる空間が少なくなって気管に入りやすくなります。写真4は背中に45度傾いたときの喉頭のイメージです。安全に溜まる量が少なくなっています。
安全な完全側臥位(90度側臥位写真2)にこだわります。
背中に倒れにくく、しっかりサポートするのが完全側臥位支援クッション(ピタットくん90ワイド)です。
・シート部分を体の下に敷くことでずれにくくなっています。
・クッション内部にクッションを入れており背中が倒れにくくしています。
写真5のように顔を上に向ける(頸部回旋する)と梨状窩の先の食道入口部が広がり食べ物が入りやすくなります。
つまり、誤嚥しない状態で食物を溜めておき、食道に入りやすい準備をして嚥下反射を待っています。これが、完全側臥位頸部回旋姿勢(写真6)です。
・口腔の送り込み障害に対して、傾斜をつけることにより喉に入りやすい。
・食道の入り口を広げて飲食物を入りやすくする
・溜まる空間が広がる
・喉の側面を飲食物が流れやすくなる
・食事介助がしやすくなる
食事の最後に溜まった食材を水やとろみ水に置き換えるフィニッシュ嚥下をしてください。そして、20〜30分同じ姿勢で過ごしてください。
真っ白になる瞬間が飲み込んだ時です。
嚥下反射後に残った物は奥の気管に行かないです。
・嚥下反射が遅い
・残留がある
・喉頭侵入している
座位や仰臥位では、食べることを禁止されたと思います。
でも完全側臥位では誤嚥せずに、嚥下反射を待つことができます。
※側臥位が取れない方や食道が開かない方や声門が閉じない方や嚥下反射が生じない方は、完全側臥位でも食べられないです。
しかしながら、完全側臥位で診察できる医師が少ないため実施している病院が少ないのが現状です。
嚥下検査ができない。VE検査はない場合どうしたらいいのか。
今食べている姿勢で、よくむせたり、食事中や食後ガラガラ声がした場合、横になってむせが治ったり、ガラガラ声がしなくなったりした場合は、水又はとろみ水を飲んでみてください。むせずに飲み込めたら、ヨーグルトを飲んでみてください。
口から食べることを禁止された方の6〜7割の方が食べられています。おそらく、その6〜7割に該当される可能性が高いです。
収録内容 52分16秒
1.3分でわかる完全側臥位法 3m43s
2.完全側臥位法とは 10m41s
3.完全側臥位姿勢調整 (ピタットくん90ワイド) 3m35s
4.完全側臥位食事介助 3m5
5.完全側臥位自力摂取 2m54s
6.完全側臥位頚部回旋(ふたこぶラックン)2m45s
7.前傾座位姿勢調整(ラーメンをすする姿勢)5m9s
8.回復体位調整(唾液誤嚥予防姿勢)3m3s
9.唾液誤嚥について 34s
10.唾液の色について 2m12s
11.座位での誤嚥の仕組み 1分02秒
12.背中にもたれかかったときの誤嚥の仕組み 1分39秒
13.仰臥位30度での誤嚥の仕組み 1分39秒
14.完全側臥位での誤嚥の仕組み 1分44秒
15.ふたこぶラックンの使い方 3m50s
16.ピタットくん90ワイドの使い方 1m26s
17.回復体位クッションの使い方 3m15s
1.3分でわかる完全側臥位法 3m43s
2.完全側臥位法とは 10m41s
煩わしい資料作成の必要はありません。健和会病院 栗澤祥平言語聴覚士に作成していただきました。完全側臥位法の概要を3分で、医療従事者向けに10分でまとめていただきました。
1.3分でわかる完全側臥位法 3m43s
11.座位での誤嚥の仕組み 1分02秒
12.背中にもたれかかったときの誤嚥の仕組み 1分39秒
13.仰臥位30度での誤嚥の仕組み 1分39秒
14.完全側臥位での誤嚥の仕組み 1分44秒
外から見えないのどの中を液体はどこに溜まり、どこを流れるかで誤嚥リスクがわかります。健和会病院 福村直毅医師が透明咽頭モデルで解説。
完全側臥位での誤嚥の仕組み 1分44秒
3.完全側臥位姿勢調整 (ピタットくん90ワイド) 3m35s
4.完全側臥位食事介助 3m5
5.完全側臥位自力摂取 2m54s
6.完全側臥位頚部回旋(ふたこぶラックン)2m45s
7.前傾座位姿勢調整(ラーメンをすする姿勢)5m9s
力任せにしない方法で姿勢を調整すれば介助する側もされる側も安心。健和会病院 福村弘子摂食嚥下認定看護師が説明。
完全側臥位頚部回旋(ふたこぶラックン)2m45s
8.回復体位調整(唾液誤嚥予防姿勢)3m3s
9.唾液誤嚥について 34s
10.唾液の色について 2m12s
誤嚥性肺炎の大半が唾液によると言われています。唾液誤嚥予防の回復体位について、健和会病院 福村弘子摂食嚥下認定看護師が説明。
完全側臥位頚部回旋(ふたこぶラックン)2m45s
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