「食べられる幸せをかみしめて」

平成30年7月15日

 

「かぼちゃをペーストにしたものを父に食べてもらえました♪

福村先生から少量でカロリーを取る工夫として、オイルでカロリーアップしたら良いと教えていただいたのでココナッツオイルを加えました。

父の好きなハチミツも加えました。

 

とろみ剤を加えて父にとってちょうどいいとろみ加減にしました。

大きな口を開けて「おいしい、おいしい」と言って食べてくれました。

こんなふうにまた、自分の手で一から作ったものを食べてもらえる日がくるなんて…本当にうれしくて感激です☆

 

父が病気になってからは特に、食事を大切に考えて、母と私で手作りで作ったものを父に食べてもらっていました。

愛情込めて作ったものは心身を満たし元気にしてくれるからです。

父は食欲も旺盛で私達が作る食事をいつもおいしいと食べてくれました。

 

ですが、入院したその日から絶飲食となり、食べたいのに食べられない月日…どんなにか辛かったことかと思います。

 

237日ぶりのかぼちゃの味を父はかみしめるように味わいました。

入院前の食事と同じようなものを食べることができるようになったことに喜びもひとしおです。

まだそんなにたくさんお口から食べられないので経鼻経管栄養との併用ですが、お口から食べることできっと力がついてくると信じて、今は少しでも食べられたら共に喜んでいます。

 

ふたこぶラックンとピタットくん90ワイドを使って完全側臥位にして食べています。

父は首の反り返りが強いのですが、ふたこぶラックンはちゃんと支えてくれるのでとても楽そうですし、ピタットくん90も完全側臥位を保つのにとても役に立ちます。

病院ではあんなにも食べるのはリスクがあるから無理と言われ続けてきましたが、むせることなく上手にゴックンして食べることができます。

この長く苦しい道のりを思うと、がんばってきた父の努力が報われて本当に良かったと胸に喜びが溢れてきます。

 

父が決して特別なのではなく、完全側臥位にすることで口から食べられる喜びを取り戻せる方がたくさんいらっしゃるんじゃないかと父を見ていて思います。

 

食べたいのに食べられないという苦しみの中にいらっしゃる方が、たとえ一口でも口にすることができた時に、その一口がどれほど大きな喜びとなってその方の命を潤してくれることでしょう。

そして私たちにも、それはそれは大きな喜びをもたらしてくれます。 

 

お口から食べる喜びをみんなで分かち合えるそんな世界となりますように☆」